日別アーカイブ: 2010年8月15日

8月15日に寄せて

「ワシは運が悪かった、あの時死んでさえいれば!!!」
アッツ島からの数少ない生存者の声だ。

65年目の終戦記念日を迎えてドラマやドギュメンタリー番組が数多く放映されたが、今年の特徴は長年の沈黙を破って重い口を開く元兵士達が多かったことだ。
彼らも齢90に達する。

「あなたにも、なたにもワシは恥を晒しているんですよ!」
取材記者やカメラマンを一人一人指差しながら、嗚咽混じりに訴えた。

「生きて虜囚の辱めを受けず」
戦陣訓をまっとうできなかった後悔と死んでいった戦友に対する後ろめたさからだろう。

大本営はアッツ島での全滅戦を契機にニューギニア、マーシャル諸島、グァム、サイパンでの敗戦を
『玉砕』の美名の下に戦意高揚のプロパガンダとして利用したのだった。

しかし実際は棄軍であり、往くことも留まることもできない、
撃つ弾もなく食料もない、ただひたすら死を待つだけの戦いだった。

語り継ぐことで風化は防げる。

戦争を語ることができる人が少なくなった今日、
勇気をもって歴史の証言者となってほしい。

(藤田嗣治作「アッツ島玉砕」東海大学教養学部 鳥飼研究室HPから http://www.geocities.jp/torikai007/war/1943/attu.html)

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