日本の桜は園芸種やその亜種も含めると600種以上があるとされる。
第二次世界大戦後、日本人のアイデンティティーを取り戻そうと、復興のシンボルとして爆発的に植えられたのが株分け(クローン)によるソメイヨシノだ。今ではサクラの代名詞にもなっているほど、日本を代表する桜だ。
江戸時代末期から明治初期にかけて江戸・染井村(豊島区駒込)の植木職人たちの手で作られた園芸種で、エドヒガン系コマツオトメとオオシマザクラとの交配種だそうだ。
しかし致命的欠点は寿命が60年と短いこと。
その理由は成長が早いため老化も早い、または公園や街路樹が多いため痛みやすく寿命を縮めている、あるいはクローン種は遺伝子情報にエラーを生じやすいなど諸説あるが、正確なところは分らない。
全国的にサクラが寿命を迎え、消える日も近いと言われている。
しかし青森(弘前城公園)には樹齢100年を超えるものもあり、東京(砧公園)のものは70年以上を経過している。
植え替えの手間や費用もバカにならないだろう。
「ソメイヨシノ60年寿命説」が誤りであることを祈るだけだ。
(Photo:4月1日、東京・青山墓地の桜のトンネル)