1月12日放送のNHKドラマ「感染爆発」を見ました。トリインフルエンザがヒト感染型に突然変異して感染爆発をおこす。その時東京は、日本はどうなるかという内容です。
この強毒性ヒト感染型ウイルスはパンデミック フルーと呼ばれます。パンデミックとは爆発的感染、フルーはインフルエンザのことです。専門家の間では可能性の問題ではなく時間の問題だとして常識になっているそうです。致死率も高く低い見積でも10%で、WHOはその場合の世界中の死者数は1億2千万人を下らないだろうと推定しています。現在南アジアを中心に世界各国に拡がりをみせているN5H1型トリインフルエンザがパンデミック フルーに変化するのは、もはや時間の問題だということです。
日本では対応策としてタミフルを2,500万人分備蓄し、プレパンデミック ワクチンを開発中とのことでしたが、その効果は未知数です。また本格ワクチンは6ヶ月以内に完成するそうですが、いっぺんに沢山でくるわけではないので、誰から打つのか優先順位を付けなければなりません。命の順位を誰が決めるのでしょうか。
ドラマの中で怖かったのは、多くの病院が院内感染や医療訴訟を恐れて患者の受け入れを拒否したり閉鎖したりするところでした。もし感染したら何処へ行ったらいいのでしょうか。医師としての資質を問われるところですね。
また感染の拡がりを食い止めるために感染地域の封鎖、空港閉鎖、交通機関の停止、外出の禁止など戒厳令に匹敵するような手段を講じなければなりません。でもドラマでは各省庁の偉い人が集まって連絡会議を開いても、法的環境が未整備ということで誰も何も対策を打つことができず、病気は拡がってしまいます。東京で第1号患者が発生してからわずか一週間で25万人に感染です。
政府の広報活動が低調なのか、マスコミが無関心なのか、私が無知だったのか、このような恐ろしい事態が目の前に迫っているなんてぜんぜん知りませんでした。今まで見たどんなホラー映画より恐ろしかったし、どんなサスペンスドラマよりショッキングでした。
この問題に関心のある方は「パンデミック フルー」(岡田晴恵著、講談社刊)をお読みください。また国立感染症研究所、厚生労働省のHPも参考にしてください。