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8月15日に寄せて-2 どうして特攻作戦は生まれたか

ミッドウエー海戦に破れ不利な戦局に立たされた海軍は、昭和19年10月、大西瀧治郎中将指揮の元、初の「神風特別攻撃隊」がフィリピン基地から出撃した。

人間の体を兵器代わりにして体当たりする『特攻作戦』は、これまで現場将兵の熱意から始まったとだけ伝えられてきた。
しかし、海軍反省会のテープは、「神風特別攻撃隊」の一年以上前から『軍令部』が現場の熱意とは別に組織的に計画、特攻兵器を作り続けてきたことを赤裸々に語った。人間魚雷「回天」、自爆ロケット「桜花」、自殺ボート「震洋」など新型兵器と称し作られてきたのだ。さらに『軍令部』の元参謀は「特攻」はあってはならない作戦と自覚しながらも、その計画を推進してきたとを自戒する。

ここでも「組織の原理」が優先した。過ちと知りながら『特攻』を推進した彼らは、やはり大勢に抗うことをためらっていたのだった。「臆病者」「非国民」の怨嗟の声を恐れて。

このことは現在でもある。稟議書の『やむなし』がこれだ。消極的賛成だと思ったら、実は消極的反対だという。ある総理経験者は大蔵官僚時代、意思に反してどうしても捺印しなければならない時、印を逆さにして押していたという。しかし彼は自らの信念を曲げたことには変わりないのだ。

最近の「特攻」を扱った映画やドラマに、気にかかる所がある。あまりにも彼らの行動や心情を美化しすぎてはいないだろうか。

海軍から始まり陸軍にも浸透していった『特攻』で亡くなった将兵は五千人を超すという。殆どの特攻隊員は下士官と兵、それと学徒動員の士官(将校)である。問題は二十歳前後の若い彼らに特攻を命じた体制の責任を不問にしておきながら、情緒のみを美化する傾向に、再度同じ過ちを犯す可能性はないだろうか、というところだ。

「やましき沈黙」、誰にも非難できないことかもしれないが、勇気があれば誰でも破れることなのだ!!!

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8月15日に寄せて-1 日本はなぜ米国との開戦に踏み切ったのか

8月9日から11日まで、3回に分けて放映された「日本海軍 400時間の証言」と題したNHKスペシャルを見た。

戦後35年を経過した昭和55年から11年間、海軍の中枢であるエリート集団『軍令部』のメンバーが中心となって、秘密裏に集まり「海軍反省会」が行われた。生存中は絶対非公開を条件に開戦にいたるまでの経緯や、その裏で行われた政府・陸軍・皇族に対する工作について話し合われたのだ。

軍令部(ぐんれいぶ)とは日本海軍の中央統括機関(海軍省と共同で行う)である。海軍省が内閣に従属し軍政・人事を担当するのに対し、軍令部は天皇に直属し、その統帥を輔翼(ほよく)する立場から海軍全体の作戦・指揮を統括する。

昭和6年陸軍は閑院宮殿下を陸軍参謀総長に頂いたことに対抗して、昭和7年に海軍の軍令部総長に伏見宮博泰王が就任した。
伏見宮は皇族には稀な海軍生え抜きの軍人で、日露戦争以来艦長や艦隊司令官を歴任し、昭和天皇の26才年上で陛下も一目置かれていたという。
軍令部は皇族の威光と統帥権を傘にきて、今まで陸軍に比べて相対的に地位の低かった海軍の権威拡張を図ろうとしたのだった。

昭和12年陸軍は日中戦争に突入し、広大な中国全土で戦線を拡大していった。これに危機感を抱いていた米英は昭和16年8月対日石油輸出禁止に踏み切った。陸軍からはこの伸びきった戦線の兵站維持のため、東南アジアの権益を確保するよう対米決戦の圧力がかかった。
このまま傍観していれば、いずれ陸軍による武力クーデターが発生し、海軍は陸軍勢力のもとに飲み込まれてしまう。軍令部には組織壊滅危機の戦慄が走った。
軍令部佐官クラスの青年将校たちは上層部の意向を無視して、海軍の予算獲得と権威拡張のため勝利確実の戦勝見積を行い、組織を守るため国民や国家の命運を無視し、無謀な開戦を計画・推進したという。

組織に生きる人間として、大勢に逆らい「戦争回避」とは言い出せなかった経緯も生々しく伝えている。これを彼らは「やましき沈黙」と反省しているが、組織のために組織を守る、このことは現在の官僚組織、いや民間組織にも言えることではないだろうか。

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豚は新型ウイルスのゆりかご

uraさん書き込みありがとう。
1年以上も前の記事を覚えていてくれて、謝謝!
この機会にもう少し話をさせてもらおう。

トリインフルエンザがなにかと取沙汰されていたのでブタインフルエンザと聞くと、なにかと奇異に感じるかもしれないが、トリ→トリ型がヒト→ヒト型に変異する際にブタが中継点になっている場合が非常に多い。
云わばブタは新型ウイルスの培養器であり製造工場ともいえる。

今回の場合感染経路、罹患率、致死率など多くのことが明らかにされていないので不安もつのる。
また弱毒性と発表されているが、強毒性に変異することはないのか。

もっと怖い話を聞いた。
日本の調査チームにより強毒性のH5N1型に感染したブタがインドネシアで発見されたという。
パンデミックは、やはり時間の問題なのか。

でも悪い話ばかりではないぞ!
従来の治療薬はウイルス表面の抗原をターッゲットとしていたため、これが変化すると無効になる。
これが対ウイルス戦争の難しい点だ。
ところがウイルス内部に共通するタンパクを標的とする新治療薬が開発されたと聞く。
まさに夢の治療薬だ!
だが実用化には、まだ数年を要するそうだ。

人間とウイルスの鬩ぎ合いに終止符が打たれる日が何時来るのだろうか。

もともと地球上の先住者は細菌やウイルスだ。
そこに割って入った人類の歴史はたかだか800万年ほど、先住者からの攻撃は当分続くだろう。

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ありがとうございました、アートグラス展 

11月28・29日に行われたアートグラス展を大盛況裏に終わることができました。本当に本当にありがとうございました。
心より感謝しております。
                 マロミ

大勢の方にご来場いただき、皆様のご厚情心より感謝いたします。
特に来年も開催して欲しいと、多くの方から戴いたお言葉は、小生への最大の激励として肝に銘じておきます。
より高い技術と技法により新たな作品創りに励みますので、次回の作品展もよろしくお願いします。
                お兄ちゃん

(今日はまじめにコメントしてしまったが、次回からは、また砂かけジジイに戻るぞ!)

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閑話無題

先日、久しぶりに江ノ島へ足を向けた。十年振りだろうか。

島はすっかり様変わりしていた。かつては弁天橋を渡ると、古びた旅館やみやげ物店が並んでいたが、今では新築のホテルや小奇麗なレストラン兼業の物産店に変わっていた。
植物園も整備され、展望灯台は五年前に改築、東屋、レストハウス、意味不明のモニュメント、レストラン…と真新しい人工物に囲まれていた。

地方の観光地特有の、あのどことなく物悲しい猥雑な風景が懐かしく想い出された。

(Photo:上展望台から弁天橋、藤沢方面を望む。下左から植物園、展望灯台、植物園で見かけた花、名前は調査中)

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GW,安・近・直ならここがお奨め!

JR山手線・目黒駅から徒歩で10分程の所にある、自然教育園がお奨めだ。

一般的な庭園や植物園とは異なり、武蔵野の自然をそのまま残し、昔からある東京の植物群落を再現している。
ここのユニークな点は他にもあり、持続収量林業的考え方で運営されている。窓口で入場料を払うとピンクのリボンを渡される。このリボンは300ケしか用意されていない。すなわち20haの園内の最適入場者は300人と考え、それ以上はリボンが戻ってこなければ入場させないのだ。

月ごとに観察のテーマが決まっていて、その中に「春になっていろいろな鳥がさえずり始めました。どんな鳥のさえずりが聞こえますか」という設問がある。しかし聞こえてくるのは「カー、カー」だけだった。カラスは何処でも我が物顔だ。

隣接する東京都庭園美術館もお奨めだ。旧朝香宮邸をそのまま美術館として開放したもので、アールデコ様式が堪能できる。
庭園だけなら200円で入場できるので、教育園と合わせて500円あれば1日楽しむことができる。

(写真:上自然教育園遊歩道、下春の野草・左からヤマブキソウ、シャガ、オドリコソウ、エビネ)

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桜が消える日

日本の桜は園芸種やその亜種も含めると600種以上があるとされる。
第二次世界大戦後、日本人のアイデンティティーを取り戻そうと、復興のシンボルとして爆発的に植えられたのが株分け(クローン)によるソメイヨシノだ。今ではサクラの代名詞にもなっているほど、日本を代表する桜だ。

江戸時代末期から明治初期にかけて江戸・染井村(豊島区駒込)の植木職人たちの手で作られた園芸種で、エドヒガン系コマツオトメとオオシマザクラとの交配種だそうだ。

しかし致命的欠点は寿命が60年と短いこと。
その理由は成長が早いため老化も早い、または公園や街路樹が多いため痛みやすく寿命を縮めている、あるいはクローン種は遺伝子情報にエラーを生じやすいなど諸説あるが、正確なところは分らない。

全国的にサクラが寿命を迎え、消える日も近いと言われている。
しかし青森(弘前城公園)には樹齢100年を超えるものもあり、東京(砧公園)のものは70年以上を経過している。

植え替えの手間や費用もバカにならないだろう。
「ソメイヨシノ60年寿命説」が誤りであることを祈るだけだ。

(Photo:4月1日、東京・青山墓地の桜のトンネル)

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花ちらし

絶好のお花見日和を期待されていた、
3月30日の日曜日は無情の雨。
雨の上がった4月1日は全国的に荒天、
花ちらしの嵐、吹き荒れる。

かくして今年の桜、去ぬめるか。

広尾の有栖川宮記念公園は、桜の隠れスポット。日中の日溜りは幼児を連れた若いお母さんたちで賑わう。

敷地内にある都立中央図書館横の庭園には、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、ヤマザクラ、アメリカザクラなどが植えられ、八重咲のものを含めると公園内では10種類ほどの桜を鑑賞することができる。
開花の時期も少しずつずれているので約1ヶ月間、花を楽しむ人々が訪れる。

都心とは思えぬ静かな公園、一度訪れてみては如何でしょうか。

(Photo:中央左寄りの少しピンクがかった樹がアメリカザクラ。ワシントン・ポトマック河畔に贈られたものと同種のもの。都立中央図書館にて)
(Uraさんへ:書き込みありがとうございます。4月1日付けブログでご紹介したのは洗足池公園の桜です)

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「食べる」ことの意味

あるグルメサイトに店の情報を開示することにした。

各店舗への誘導ページ扉写真に、
店入口写真の使用を要請したところ
「グルメサイトだから料理写真を」と、
拒否されてしまった。

飢餓の時代
あるいは貧食の社会においては
当然欲求充足の行動として、
とりあえず「何かを食べる」ということで、
その質については議論する余裕はない。

しかし現在我々の生活している社会環境に於いては
「食べる」という行為はエネルギー補給以外にも
重要な意味を持っている。

「食べる」という行動を決定するプロセスには
3つの要素が関係してくる。
すなわち、1.誰と、2.何処で、3.何を、の3要素だ。

最近家族で食卓を囲むことが少なくなった。
これが家庭崩壊の大きな要因の一つとされているということに
議論の余地はないだろう。
「食べる」という行為は相互の意思疎通に
大きな意味を持っているのだ。

勿論、「誰と」行くかは消費者に委ねられる選択の範疇であり
売り手が介入する余地は一切ない。
しかし「何処で」という条件は
コミュニケーションを円滑にする場を決定するにあたり、
大きな条件となってくる。

1人で行くならファストフードで十分であろう。
しかし2人以上で行くなら友人か恋人か、
会社の集まりなのか同好の士か、
初対面なのか古くからの付き合いか、
どの様なコミュニティーを形成するかで
ステージセッティングがまったく変わってくるだろう。

然るにこのサイトの方針では第の3要素である「何を」を
最重視していることは理解に苦しむ。
「グルメサイトだから料理写真を」
というのはあまりに短絡的な思考ではないのか。

より総合的に包括的に、かつ柔軟に情報提供することを
切に望む次第である。

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インターネット不通

回線トラブルで、
インターネットが不通となった。
当初、モデムの故障と
思い込んでいたので、
回復が大幅に遅れた。

十日間、メールが読めない。
ブログのUPができない。
調べ物ができない。
情報が入ってこない。

困った。
不安感、焦躁感がつのる。
お手上げ状態だ!

インターネットに
これほどまでどっぷりと、
自分が浸かっているという自覚は、
まったく無かった。
インターネットシンドロームか?

高度情報化社会は
文明の狂気か?
はたまた凶器か?

(PCのはめ込み画像は樫村秀美さんより提供していただきました)

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